人は、いくつもの顔を持つ

先週こんなことがありました。
私には89歳になる父親がいて、千葉市の実家で一人暮らし。
日常生活は一人でできるので、
夫と二人で、ほぼ隔週で顔を出します。

夕方、実家に着くとすぐに楽な服(ジャージみたいな)に
着替えて、用意したオツマミと共に晩酌を始めます。
(父親は飲めないので、夫と二人でですが。)

先日父から「いつも酔っぱらってるから、真面目な話ができないよ」
と言われてしまい、ムカっと来たんですよね。

ビシっとスーツを着て、大勢の前で講演している私だっているのに!
クライアント企業に、あれこれ指導して感謝されてる私だっているのに!

しかし、よくよく考えてみると・・・
確かに父は、ここ何年も、グダっとした服装の
ほろ酔いの(もうちょっと酔ってる?)私しか見たことない、
というのが事実です。

私の好きな本で、ハーバードビジネススクールのクリステンセン教授が書いた
「イノベーション・オヴ・ライフ」という本があります。
ベストセラーですので、お読みになった方もいらっしゃるでしょう。

その中で、クリステンセンが会社を経営していたときの、
ある女性エンジニアのことを取り上げていました。
彼女は、とても優秀でしたが、多忙で、しかめっ面をしていることが少なくなかった。

ある日、著者が催した、家族も呼んでのピクニックで、
彼女は夫や子供に、会社では見せないような優しい笑顔で接していて、
それを目にした著者は、ああ、彼女も妻であり、母なんだ。
家庭で過ごす時間が素晴らしいから、あんなによい仕事ができるんだな、
という事実に気付く。

そして彼は、上司として、彼女の笑顔が増えるような
仕事の与え方をしなくちゃいけないな、という風にも思ったのでした。
(ちょっと記憶が定かじゃないのですが、多分こんな話だったと思います)

ところでねぎしさん。
あなたが職場で接する上司、部下、同僚などは、
あくまでも職場での顔をあなたに見せているわけです。
でもその人は、家庭での顔、町内会での顔、友人と会っている時の顔、
それぞれ違うし、違った場所で、違った相手に様々な表情を見せているはず。

自分が知っている「あの人」には、いくつもの顔がある・・・
たまには、そういう風に想像してみませんか?
そしてできれば、実際にそれを見ることができたらいいですよね。
クリステンセンのような気付きがあるかもしれません。
そんな集まりが、またできることを祈りつつ。

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