困難な時は、必ず弱者にしわ寄せがくる

ハラスメントが起きやすい職場とは?
というワークショップをすると、決まって出るのが
「忙しすぎる職場」
「風通しの悪い職場」
という意見です。

それはそうなんですが・・・
もう少し掘り下げて考えてみる必要がありそうです。

いまコロナ禍で、弱い立場の人たちにしわ寄せがきていると言われています。
また、世界に目を向けてみても、内紛などで弱い立場の人たちの生活に
多大な悪影響が出ているようです。

これを見ても、困難な環境では、真っ先に弱者が困窮するというのは
動かしようのない事実だと思います。

そして、もう一度職場に目を転じてみましょう。
忙しすぎる職場、これの原因は、業務改革されていない(DXの遅れ)、
マニュアルが無い、採用した人が戦力化するのが遅い(育成制度が未整備)、
などが原因でしょう。

風通しの悪い職場、これの原因は、軍隊式のマネジメントから
抜け出せないでいる企業の姿勢が原因です。
端的に言えば、「言われたことだけ黙ってやれ、質問するな」という企業風土。
行き過ぎた上意下達ですね。
これでは、自分の頭で考える人が育ちません。

上記の2点だけを取ってみても、苦労するのが誰だか想像がつきますよね。
そうです、立場の弱い人、つまり企業で言えば位が下の人です。

ですから、遠回りに見えるようでも、
しっかり業務改革をし、下の人が意見を言えるような風土を作る、
この2つが、ハラスメント防止の一番の策だと痛感しています。

上っ面の「働き方改革」、「残業抑制」ではダメですよ。
すべての工程において無駄を省き、前工程、後工程、横工程と連携よく、
全員がお客様の方を向いて仕事をできるかどうか、
これを見直すのが、本物の業務改善です。

次に、軍隊式のマネジメントから抜け出すこと。
これには、相当の企業努力が必要です。
何度か管理職研修をしただけでは、戦後何十年にも渡って培われた
風土を変えるのは無理です。

多少強引にでも、若者が意見を発表する場を作り、
偉い人が我慢して、それを見守る「制度」を設けないと。
そうです、ルールとして実施しないと。
役員・管理職一人ひとりの「思いやり・気持ち」に任せていては
10年、20年かかってしまいそうです。

是非とも、各社独自の制度、ルール、仕組みを考えて
この難題に取り組んでいただきたいと考えていますし、
私は、ずっとそれを支援し続けるつもりです。

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