株式会社キャスティングロード様

社員の健康と、キャストの安心、両方を叶えるメンタルヘルス対策をスタートさせました

総務人事部 部長 酒井大様(右)・メンバーのみなさま

創立年 2001年
所在地 東京都東京都新宿区新宿3-1-24 京王新宿三丁目ビル7F
拠点 国内10か所
事業内容 人材派遣業  
従業員数 160名(派遣労働者を除く)

「時代は変わったんだ!」と痛感

我が社では創業以来、「人を大切にする」という考えを経営の根底に置き、コールセンターに特化した人材派遣サービスを軸に事業展開しております。従業員はもちろんのこと、派遣として働く派遣社員を「キャスト」と呼び、おもてなしの気持ちをもってキャストフォローに努めております。お客様・キャストのあらゆるニーズに応え、その期待を超えるサービスを提供することで「感謝」を「感動」レベルまで高める対応を行います。

そうは言っても、根岸さんに初めてお会いするまでは、正直メンタルヘルス対策に正面から取り組む気持ちが強くありませんでした。それまで大きな事故もありませんでしたし・・・。不調者がいないわけではありませんでしたが、なんとなく処理して、それで大丈夫だと思っていましたから。しかし、社長を交えたミーティングで、根岸さんから労務リスクや企業賠償の話をお聞きして、怖くなりました。「時代は変わったんだな」と実感し、さらに当社では、毎年30名近い増員を行っていること、キャストが増え続けていることなどを考え合わせると、益々リスクの高まりを感じたのです。

代表は、コンプライアンスを意識したメンタル対策の必要性を重視

もともと当社の代表(古澤孝社長)はコンプライアンスに準拠した経営を意識していましたが、安全衛生管理の体制づくりは遅れていました。ベンチャー気質溢れるわが社では、全社的に過重労働に対する認識が甘かったと言わざるを得ません。そんな中、代表も他の経営者との情報交換などから、少しずつ意識が変わったようで、今回プラネットのコンサルティングを受ける決断をしたのです。やはりベンチャーとはいえ、国も、労働者も、企業の労務管理に対する見方が厳しくなってきたことを受け、行動に移さなければという気持ちだったと思います。

まずは、労働安全衛生法に準拠するためのコンサルティング

お恥ずかしい話、当社では産業医、健康診断事後措置、過重労働者ケアなど、労働安全衛生法に則ったルールが未整備でした。プラネットのコンサルティングでは、それらを順を追って一つずつ作り上げていくので大変わかりやすく、あっという間のコンサルティング期間でした。

全国で約10事業場の産業医の探索支援もお願いしたのですが、おかげさまでよい先生に巡り合うことができました。規程や帳票類についても、プラネット側で用意してくれるひな形を当社が手直しするだけで、法令に準拠したものが次々にできました。いままで拠点ごとにそれぞれの対応をしている面もありましたが、今後は統一ルールで、安全な運用を心掛けていきたいと思います。

また、ひとつひとつの法律や規程の成り立ちや意義などに関して、丁寧な説明があるので「どうしてこれをしなければならないのか」という理由が明確になり、社内に展開する際にも説得力を持って伝えることができるようになりました。やはり人は、ただ「これをしてください」と言われるよりも、理由をきちんと聞いた方が行動するものですね。たとえば、こんなことがありました。なかなか産業医面談をしたがらなかった高血圧者がいたのですが、根岸さんに習った企業の安全配慮義務などに関して詳しく説明すると、納得して面談してくれたのです。あの時、理由もわからずに「規則だから」と押し付けていたら、本人にとっても、会社にとっても、いい結果にはつながらなかったと思います。

キャスト(派遣労働者)の就労環境に配慮した相談窓口の設置

当社は人材派遣業ですから、当然多くのキャスト(派遣労働者)の方々の力を借りて仕事をしています。今は人手不足の時代ですから、「選ばれる派遣会社」になるために何ができるか考えたときに、キャストの皆さんの健康管理、労働相談などを充実させ、安心・安全な環境で働いてもらいたい、という気持ちがありました。キャストは派遣先企業で様々な業務や人間関係に向き合います。今までは営業マンが個別に悩み相談を受けていましたが、質・量ともに限界を感じていたのも事実です。

そんな時、プラネットの勧めで外部相談窓口を検討してみようという事になり、コールセンター見学に行ったのです。複数の事業者を比較検討した結果、ティーペック社に決定しました。決定のポイントは、医師が常駐していること、訓練を受けた看護師・心理カウンセラーなどが24時間いつでも電話相談してくれること、などです。当社では、キャスト向けのスマホアプリで告知と利用促進を図っています。外部相談窓口は、プライバシーに配慮しつつキャストや営業マン、その他すべての従業員の心身のケアに役立つ、とてもよいサービスだと思っています。もうすでに何件かコールがあったようで、導入した立場として嬉しいですね。

管理職が現場で使えるマニュアルを整備

コンサルティングのフィナーレとして、管理職を集めた研修を実施しました。グループ企業の管理職も集め、総勢40名程度で根岸さんの講義を聴きました。前半で労働安全衛生法や企業防衛の視点に立った労務管理について話してもらい、後半はうつ病やその予防に関する知識、現場での不調者対応について、という流れです。当社は、大企業ではありませんので、実際の例が少ない中、多くの他社事例を挙げて頂き、管理職からは「病気のことは全く知らなかったので、勉強になった」、「予防策は、すぐ現場で実践できそう」などの感想が寄せられています。

研修では、管理職が現場で使える色々なマニュアルを見せながら説明しました。メンタル不調、ハラスメント事案などが起こった際の管理職の動きをフローチャートにし、誰が見てもわかるようにしたものです。プラネットのひな形は、よくある「部下の顔色が悪いと思ったら声を掛けましょう」というような曖昧な表現ではなく、「週に2回の遅刻ですぐ面談!」のような客観的な指標を用いて誰でもが実践できるもので、これには「なるほど!」と思いましたね。

コンサルティングの中で、根岸さんの支援を受けながら、正社員向けやキャスト向けなど、それぞれの立場や業務内容を想像しながら、プラネットのひな形を何度も手直しして完成にこぎつけました。これらのマニュアルと規程の抜粋、必要な帳票類を一冊のファイルに納め、研修の際に管理職に一人一冊手渡しました。仮に研修内容は全て覚えていなくても、このファイルを見ればなんとかできる、という安心感を管理職に持ってもらえればと思います。

メンタルヘルス対策は、あとからじんわり効いてくるもの

今回のコンサルティングで、一通りのルールを手に入れることができましたが、当社のメンタルヘルス対策は、まだスタート地点に立ったばかりだと思っています。

今後は、もっと社内の意識づけを深め、メンタルヘルス対策を当たり前の行動にしていければと思います。普段は 目に見えて効果が上がるものではないけれど、何かあった際には、そのありがたみが分かる、そんなメンタルヘルス対策に育てていきたいと考えています。 プラネットが提唱する「企業防衛の視点に立ったメンタルヘルス対策」とは、すなわち働きやすい環境を整えることなのだと、実感するコンサルティングでした。

取材:2015年11月

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