法律で定められている産業医の仕事
そもそも産業医の仕事とは何でしょうか?労働安全衛生法では、下記の事項を定めています。
・月に一度の事業場巡回
・衛生委員会の構成メンバーになる(委員会への出席は委員会の決定による)
・健康診断の事後措置に関する業務
・作業環境の維持管理に関する業務
・長時間労働者(残業が月100時間を超える者)に対する面談
・休職・復職に関わる面談
・日常の健康相談
・衛生教育・健康教育
・労基署への提出書類作成
・衛生委員会議事録への捺印
・労働者の健康障害の原因の調査および再発防止のための措置に関する業務
・労働者の健康を確保するため必要があると認めるときは企業に勧告をする
従業員が50名以上の事業場が3つあれば、原則として産業医契約は3つ必要となります。例えば、東京本社100名、大阪支社80名、名古屋支社60名の場合は、それぞれで産業医を契約していなければ、違反となります。義務の発生した日から数えて14日以内に選任し、遅滞なく管轄の労基署に届けることとなっています。
上記の法令に違反した場合、また選任はしたものの必要な業務を産業医に行わせていなかった場合、50万円以下の罰金が科せられます。
医師面談の義務とは何か
企業には、従業員の健康・安全を守るため、様々な義務が課せられていますが、中でも下記の2つは、企業にとって頭の痛い問題となっています。
1) 月100時間を超える時間外労働を行った者に対する医師面談
2) 健康診断の事後措置としての医師面談
1)ですが、法律には『労働者の希望に応じて』とあるから義務ではない、と考えるのは間違いです。月に100時間を超える労働をしたことや、医師面談の用意があることを労働者本人に伝えた履歴の有無が問題とされます。また、予防的措置から、月45~60時間(企業独自の設定による)を超えた者は自動的に医師面談させる、という企業も増えてきました。
2)に関しては、定期健康診断において、何らかの所見が出た労働者に関する就業判定(医師の意見を聞く)、要再検査の者に対する治療開始確認など、企業に課せられた義務があります。これを行っていないで労災事故など発生した場合には企業は法的に自社を守ることができなくなります。
【ご参考】 医師会にみる産業医の相場とは
地域によって多少の差はあるものの、医師会などに依頼した場合の、全国的な平均値はおおむね下記の通りです。(詳細は各地の医師会に直接お問い合わせください)
・従業員数50名~100名 月額6万円
・従業員数101名~200名 月額7万円
・従業員数201名~300名 月額8万円
・従業員数301名~400名 月額9万円
・従業員数401名~500名 月額10万円
500名を超えると、100名増えるごとに2万円程度加算されるようです。要は、従業員数に準じて高くなっていくようです。ところが委託契約書には、肝心の作業内容や作業時間、訪問頻度等が明記されていないことも多く、トラブルの原因になっているようです。