「休職期間満了で解雇」は大丈夫?

どう見ても、休職期間内に回復が難しそうな不調者・・・。
この人が、その状態で休職期間満了を迎えた場合、
ほとんどの会社の規程では、「退職」と書いてあるでしょう。
私がコンサルティングで使うひな形だって、そうです。

しかし、それで大丈夫なんでしょうか。

23年東芝事件、24年アイフル事件、26年県民厚生会事件等
いずれも休職期間満了で解雇、という事案ですが、
傷病に業務起因性が認められれば労災認定され、
労基法第19条により、休職期間満了での解雇は無効となります。

問題は、ここなんです。

「休職期間が満了しても、休職の事由が消滅せず復職しない場合は、
自然退職とする」なんていう文言が通用するのは、
労災認定されない(あくまでも私傷病)場合のみです。

このような状況に陥った人の半分程度は

「あの日、部長にきつく叱られてから体調が悪くなった、
これは労災じゃないだろうか」

「納期、納期で残業ばかり。自分が心身のバランスを崩して休職に陥ったのは
労災じゃないだろうか」

等と考えるかもしれません。

昭和の時代の「病気になって申し訳ありません」という考え方から、
平成の時代の「病気は会社のせいだ」という考え方が、
少しずつ勢力を伸ばしていることに企業は気づき、
それなりの態勢で臨まねばならないでしょう。

いま、過重労働やハラスメントによる精神疾患が、
割とあっさり労災認定されることは、一般の労働者だって知ってます。

では、休職期間満了を目前に控え、まだ調子が戻らない従業員に対して、
人事がすべきこととは!?

これを次回、書きます!

コラム

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